研究課題/領域番号 |
16K02138
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
堀田 義太郎 東京理科大学, 理工学部教養, 講師 (70469097)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 差別 / 平等 / 尊重 |
研究実績の概要 |
2017年度は研究計画の予定とは異なり、日本語圏の1970年代以降の差別論について、特に具体的な差別事象(部落差別、在日差別)に関して非学術的な著作も含めた収集と検討を行った。日本語圏の学術的な差別論は80年代後半以降、主に社会学領域で蓄積があるが、それ以前の議論を広く領域や分野を超えて概観することで、国内に特有の問題設定や問題意識及びその歴史的背景を確認することができた。 また、Deborah Hellman, When Is Discrimination Wrong?(Harvard U. P. 2008)の翻訳を行うとともに、Eidelson, Discrimination and Disrespect(Oxford U. P. 2015)などを中心として、差別の悪質さに関する意味説・尊重説の検討を行った。意味説・尊重説には差別の理論として一定の意義があるが、しかしその曖昧な部分について文献検討に基づき明確にすることができた。 ただし、これらの研究成果は論文または学会発表としての公表には至っておらず、今年度は、次年度に学会における報告および論文としてまとめるためのインプット作業に傾注した。 差別と平等の概念的関係性に関しても、当初予定通りには研究成果を公表することができてはいないが、尊重概念を重視する立場が、現代政治哲学とくに平等をめぐる諸議論においていかなる位置あるかを確認するとともに、その意義に関する予備的文献調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は本研究計画に関連する研究成果を出すことができていないため「やや遅れている」と自己評価した。ただ日本語圏での差別をめぐる多様な取り組みを踏まえて、意味説・尊重説と平等概念の関係について考察するための足がかりを得ることができたため「やや」と評価している。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度は最終年度であり、これまでの研究を取りまとめる作業に傾注するとともに、17年度に得た知見を踏まえて論文及び発表として公表する。具体的には、差別の悪質さに関する意味説・尊重説の意義を踏まえた上でその問題点を明示し、これを解決する理論の構築を行う。また社会的平等論をめぐる議論を踏まえて、差別の悪質さを評価する規準としての尊重概念の、現代政治哲学における位置を明らかにする。 さらに、日本語圏の差別をめぐる諸議論を学術論文以外のものも含めて総括し、現代の理論的考察に接続する作業を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品費及び旅費執行での計算違いが生じたため、8244円の残額が生じた。 次年度に消耗品費または旅費で執行する計画である。
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