研究課題/領域番号 |
16K02190
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
岩田 真美 龍谷大学, 文学部, 准教授 (90610642)
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研究分担者 |
桐原 健真 金城学院大学, 文学部, 教授 (70396414)
星野 靖二 國學院大學, 研究開発推進機構, 准教授 (50453551)
KLAUTAU Orion 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (10634967)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 仏教 / 教化 / 護法思想 / 妙好人伝 / 仏教演説 / キリスト教 / 神道 / 儒教 |
研究実績の概要 |
本研究は、近世から近代への移行期の仏教における「教化」活動とその際に作成された諸テキスト等を通して、その思想的変容を明らかにするものである。すなわち、宗教的なビリーフとそのプラクティスが同じ事柄の両面として現れる「教化」なる「実践」を通して、19世紀の日本における仏教の存在形態を問い直し、近世および近代の仏教研究双方の成果を架橋するような総合的な語りを提示することを目的とする。 その目的を達成するために、本プロジェクトでは、2016年6月5日に東北大学東京分室にて共同研究を開始するに際しての打ち合わせを行い、以降、7月30日に龍谷大学にて、海外から三浦隆司氏(アリゾナ大学)を招聘して、国際ワークショップ「近代移行期における宗教空間――課題と展望」を開催した。ワークショップでは、本科研の成果として共同研究者が報告を行うとともに、関連する課題に取り組む研究者をゲストスピーカーとして招き、海外の研究者も交えて情報交換を行った。 また研究代表者や研究分担者が、アメリカでのAmerican Academy of Religion Annual MeetingにおいてIASBS Panel Session“An Ancient Doctrine for New Times:The Shinzoku Nitai in Modern Japanese Buddhism”を行い、他にも日本宗教学会や日本思想史学会をはじめ、スペイン、ポルトガル、ブラジルなど、国内外の学会や研究機関において成果を発信し、積極的に研究活動を展開することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は「教化」という仏教的な「実践」の歴史的展開を通して、以下に示すa)~d)の4つの課題を軸に近世近代移行期の仏教思想とその時代的影響を総合的に把握するものである。研究代表者ならびに3名の研究分担者が、a)「妙好人伝にみる教化の構造」(岩田真美担当)、b)「維新期における国民教化の問題」(桐原健真担当)、c)「明治期における仏教演説の隆盛」(星野靖二担当)、d)「立憲国家の形成期における仏教と他宗教」(オリオン・クラウタウ担当)という4つの課題を軸に、各々がその成果を挙げていることから、おおむね順調に進展しているといえる。 また共同研究の構成員は各々の課題を担当すると同時に、資料調査や研究会などによって、相互に課題を討議してきた。さらに当該分野を取り扱っている国内外の研究者を招いた国際ワークショップやパネルセッションなどによる研究活動を通して、19世紀日本の宗教世界の新たな実像を描き出すことに寄与していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、ゲストスピーカーを交えた研究会をはじめ、日本宗教学会や日本思想史学会におけるパネルセッションを計画しており、成果報告を行う準備を進めている。 また本プロジェクトの研究成果を公開することを目指して『カミとホトケの幕末維新――交錯する宗教世界』(仮題)の出版計画を進めており、その執筆者を集めた合同研究会も開催する定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度に実施できなかった資料調査を含め、国内外の学会への参加やゲストスピーカを招いての研究会の実施を計画しているから。
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次年度使用額の使用計画 |
資料調査の実施とともに、国内外の研究会への出張費やゲストスピーカの招聘など研究推進や成果公開のために使用する。
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