調査として、前年3月に河北省で、中国人強制連行被害者の聞き取りを二名に対して行った。また2017年3月に、南京では、虐殺記念館、民間記念館、利済巷の慰安婦記念館、福安里の元慰安所を調査・訪問し、上海では、上海師範大学の慰安婦記念館、大一サロンを初めとする元慰安所の建物の調査、抗戦記念館を調査訪問した。 国内では、秋田花岡の強制連行被害者の慰霊祭に参加するとともに、大府での強制連行被害者を支援する会とともに、追悼式やフィールドワークを行った。 これらをもとに、7月に「日本スペイン比較人文社会科学シンポジウム」で報告し、それを、「東アジア冷戦体制と日本―東アジアにおけるそれぞれの戦後から」というテーマで『愛知県立大学大学院国際文化研究論集第18号』2017年3月に論文としてまとめた。 また、この論文は、同時にスペイン語にも翻訳され、同論集に収められてもいる。(El Esquema de la Guerra Fria en Asia Oriental y Japon:las Respectivas Posguerras en los Paises de la Region) また、大府飛行場に関しても、論文をまとめる予定であったが、根拠となる資料の出典を確認できず、断念した。今後の地道な調査、資料発掘に期したいと思う。 また日中比較史としての1985年8月15日に着目する着想を得た。今後この日を起点とする日中関係への考察を深めていきたい。
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