平均律の使用が一般化した近代の音楽において、4分音は約100年前より一部の作曲家によって使用され始め、現代音楽においてはより普遍的な作曲資源として利用されている。その利用目的や方法は様々であるが、本研究は4分音を「衝突」させることによって錯聴が引き起こされることおよびその効率的な方法を明らかにした。特に調律が固定されているピアノを用いて4分音の錯聴を利用することは、今後現代音楽の世界でより利用が一般化されると考えられる作曲資源としての4分音の利用方法に、従来とは異なる道筋を示す糸口になり得ると思われる。
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