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2018 年度 研究成果報告書

中世顕密寺院における役行者伝の包摂と正統化についての研究

研究課題

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研究課題/領域番号 16K02389
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 日本文学
研究機関就実大学

研究代表者

川崎 剛志  就実大学, 人文科学部, 教授 (70281524)

研究分担者 仁木 夏実  明石工業高等専門学校, 一般科目, 准教授 (40367925)
研究協力者 大河内 智之  
ヘザー ブレア  
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード役行者 / 箕面寺縁起 / 修験道 / 灌頂 / 大峯
研究成果の概要

平安後期から鎌倉後期にかけて日本仏教の一道として修験道が成立する過程で、思想・儀礼・組織の整備とともに、三国伝来の仏教にふさわしい修験の歴史が創出され受容された。その言説の中心にあったのが、弘法大師による真言密教将来以前に、夢中で龍樹菩薩=龍猛から役行者が灌頂を受けたと語る『箕面寺縁起』であり、その所説は、修験の祖、役行者が箕面滝で灌頂を受け、大峯修行を通して行者らに灌頂を授けたとの認識へと展開した。本研究では、園城寺では熊野三山検校の権威を高めるため、東大寺東南院では醍醐寺との本末相論に勝つためといった具合に、それぞれの都合で上述の説が支持された結果、広く顕密寺院で定着したことを解明した。

自由記述の分野

日本文学

研究成果の学術的意義や社会的意義

国内外を問わず、修験道は日本固有の山岳宗教とみられてきたが、その評価は古代以来変化し続けてきた修験道のありようの一面を伝えるに過ぎない。本研究では、中世には、顕教・密教と並ぶ正統な日本仏教の一道として修験道は存在し、そのありようにふさわしい修験の歴史や祖師の伝記が創出され定着したことを解明した。その成果は、日本固有という安易な評価を相対化し、歴史的な存在として修験道を再評価するのに寄与すると同時に、時々の状況を正当化すべく作り伝えられた伝記や縁起の機能の重さを再認識するのに寄与すると考える。

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公開日: 2020-03-30  

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