一人称寄り視点がないという観点から、琉球語の敬語を分析し、古代語と比較研究するという試みは、独創性がある研究として2013年度の新村出記念財団研究奨励賞を受賞した。現在、古代語のように「謙譲語+尊敬語」で二方面敬語を作る敬語文法は本土方言にないため、古代語の敬語を再考する上でも琉球語の研究は学術的意義がある。また、2009年2月にユネスコは、琉球語は消滅の危機に瀕する言語であると発表した。特に南琉球語の八重山地方は危機度が高く、高齢者しか流暢に話せない現状がある。そのため早急に談話を採取し資料化し、録画や録音データを蓄積することは、社会的文化を守るためにも価値が高い。
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