本研究は、同一の発話機能であれば、語彙や表現に関わらず韻律的特徴に共通点があることを明らかにするために行われたものである。まず、日本語初級学習者に「大学場面で必要と感じる機能に関するアンケート」を行い、必要性が高いと回答された20機能(依頼、呼びかけ、感謝等)を抽出した。次に、各機能3パターンのロールプレイについて、日本語母語話者7名が発話したものを録音し音声資料を作成した。最後に、各機能に相応しいと評価された上位3名分の資料の韻律(1音節当たりの持続時間長、F0、音圧)を音響音声学的に解析した。その結果、表現や語彙にかかわらず、13機能で各機能に共通の韻律的特徴があることを明らかにした。
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