研究課題
2018年度までに,本研究の当初計画(パソコン上のWebブラウザを用いて音声認識,音声合成,学修過程の記録など)が概ね達成したが,情報端末の高度発達により,高機能なスマートフォーンも学習の道具として普及してきた。そこで,本研究の計画目標を発展させ,ノートパソコンに加え,当初計画になかったスマートフォーンへの対応について研究を行った。2019年度では,主に以下の研究を行った。スマートフォーン(iOSやAndroid)の汎用ブラウザのみで音声認識と音声合成を行うため,Web Audio API(音声録音),Cloud Speech-to-Text API(音声認識)とSpeech Synthesis(音声合成)という3つのAPIライブラリーを使用した。開発したモジュールを本研究の初年度に構築したMoodleベースのプラットフォームに実装した。デスクトップPC上と同等のテキストの読み上げ機能(発音と朗読を聴くこと)と音声認識機能(履修者の発音練習)と学修過程の記録などの機能を実現した。また,音声認識の精度改善を行った。2019年度後半から,本学の中国語関係の4クラスにおいてスマートフォーンを利用して試験的にシステム運用を始めた。利用者は本システムに掲載した中国語教材の内容を読んで,その発音を中国語の文字へ認識し,表示される。4クラスで試験的に運用した結果,本システムは良好に動作して,運用できることを確認された。また,授業の最終回に実施したアンケート評価から,課外学習支援のツールとして,学生の課外自主学習に有効であることが確認された。
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県立広島大学総合教育センター紀要
巻: 4 ページ: 1-10
電子情報通信学会,Trans. on Inf. & Syst,
巻: E102-D, No.5 ページ: 910-919
10.1587/transinf.2018NTP0006