研究課題/領域番号 |
16K03000
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
進藤 修一 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (80294172)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ギムナジウム / 中等学校 / 中央ヨーロッパ |
研究実績の概要 |
本課題採択後、中央ヨーロッパ各地に点在するドイツ系中等学校を扱った社会史に関する最新の研究状況をさらに精査した結果、研究の遂行に必要な「学校記録」についてはギーセン大学以外の他の図書館、史料館での所蔵がより充実していることなどがわかり、その他いくつかの理由とも併せて、調査地を当初の計画からベルリンへ変更した。 H28年度は中央ヨーロッパに所在したドイツ系中等学校のうち、ギムナジウムの「学校記録」を中心に調査し、重要史料の精査・複写をおこなった。さらに、研究に必要だと判断できるあらたな一次・二次史料の所在も確認でき、そのいくつかを複写・入手できた。その結果、H28年度の調査から、中央ヨーロッパ各地にあるドイツ系ギムナジウムがもつ共通性、および地域的特性の傾向が把握できた。特に①各学校における生徒の基礎データ(学生数、出自、アビトゥーア授与数、アビトゥーア取得者のデータ)、②各学校の特性(カリキュラム、アビトゥーアの試験問題)、③各学校における教員データ(氏名、教員の専門領域)、④学校の財政(奨学金、支援財団)を解明できた。これらの調査を続け、さらにデータを充実させるとことにより、中央ヨーロッパ各学校の共通性、地域的特性の傾向を分析し、「中央ヨーロッパ中等学校システム」のメカニズムをあきらかにさせる予定である。 以上のように、本年度の研究成果により、H29年度の研究により、今後の調査を発展させるための基礎ができたと言えよう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ドイツにおいて本課題に関する先行研究の最新動向が確認でき、当初の研究方針が正しかったことが確認できた。また、史料の所属状況を現地にて精査した結果、申請時には発見できていなかった史料の存在を確認できたことは、本課題を発展させる一助となった。H29年度に計画をしている研究動向に関する研究ノート(和文)作成の資料が集まり、中央ヨーロッパのドイツ系中等学校史に関する研究ノート(欧文、英語かドイツ語)作成のための資料も6割程度集まっている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きドイツにおける学校記録の収集、精査に努めるとともに、同時代史料をさらに渉猟し、中央ヨーロッパのドイツ系中等学校の実情を多面的に把握するよう努める。また、2年間の研究成果として、この分野の研究動向に関する研究ノート(和文)および中央ヨーロッパにおけるドイツ語系中等学校史に関する研究ノート(欧文、英語かドイツ語)を執筆、投稿するよう研究を進める。
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