研究課題/領域番号 |
16K03074
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岩城 高広 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (90312925)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 英領ビルマ / ミャンマー / 植民地 / 官僚制 |
研究成果の概要 |
本研究課題は、英領ビルマにおける下級官吏の歴史的位置づけを明らかにすることを目的とした。19世紀後半、エーヤーワディー・デルタ地域(ミャンマー南部)を任地とする官吏にかかわる文書を、現地調査により収集し、分析することをおもな方法とした。その結果、2つの事例研究にもとづく、論文、研究報告をまとめたことが成果としてあげられる。すなわち前者は、徴税を任務としたサークル・ヘッドマンの任用過程や上位権力(県知事)との関係を考察した論文を発表したこと、後者は、地方行政機関の書記官が経験した、解職、復職の過程を、植民統治の性格と関連づけた考察を、国際研究集会で発表したことである。
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自由記述の分野 |
ビルマ(ミャンマー)史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
英領ビルマにおける下級官吏について、これまでの研究の多くは、当該官吏の役割を定めた法令をおもな史料としてきたため、その姿は、形式的、一律に描かれるにとどまってきた。下級官吏の具体像を明らかにするため、本研究課題では、現地調査をつうじて、下級官吏自身が作成した文書を収集し、個別事例を詳しく分析しつつ、その歴史的経験を再構成することを試みた。さらに、下級官吏自身の立場にたって、上位の植民地権力との関係を考察した。このように、従来あまり参照されてこなかった史料にもとづいて、具体的に下級官吏像を描き、植民統治体制について検討した点に、本研究課題の学術的意義をみとめることができる。
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