本研究は、近年、経済成長の著しいアジアの新興国におけるICT産業の産業集積地域の形成過程と近年生じつつある構造変化の実態を明らかにすることを目的としている。結果は以下のとおりである。2000年代以降のインド経済の急成長は、ICT産業の成長が大いに寄与している。インドの有する労働力コストからみた比較優位性も当該産業の輸出指向型産業としての地位を確固たるものとしている。ITサービス輸出額の多寡はICT産業集積の規模を反映しているわけではなく、むしろ、各産業集積地のITサービス業の成長性に基づいている。輸出指向型のITサービス業の集積が進むことにより、各産業集積地の発展が促進されている。
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