研究課題/領域番号 |
16K03201
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
小田 宏信 成蹊大学, 経済学部, 教授 (30280001)
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研究分担者 |
鹿嶋 洋 熊本大学, 文学部, 教授 (50283510)
山本 匡毅 山形大学, 人文学部, 准教授 (30455555)
藤田 和史 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (90613216)
遠藤 貴美子 敬愛大学, 経済学部, 講師 (30781108)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | サテライトオフィス / 情報通信産業 / SOHO / 空き家活用 / 創業支援 / 人口減少地域 |
研究実績の概要 |
本研究プロジェクトでは,スモールビジネスの起業家精神が成り立つ地域条件およびそれが地域経済社会の持続的成長に果たす役割について実地研究を通じて究明することを課題としている。 研究期間初年度にあたる2016年度には,ICT企業を中心とするサテライトオフィス誘致および移住による新規起業支援に実績をあげている徳島県美波町を研究対象地域として,研究課題に沿った調査研究を実施した。「とくしま集落再生プロジェクト」の一つの柱をなすサテライトオフィス・プロジェクトは,CATV整備に基づく恵まれた高速ブロードバンド環境を活用して2011年度より本格的に着手されたものである。先行して事業が進行された神山町では2013年までに12社の事業所を誘致し,58世帯105名の若年移住者を迎えている。2016年12月末現在では,徳島県内で42社のサテライトオフィス誘致が実現し,うち16社が神山町への進出,15社が美波町への進出である。 美波町では,2000年代に入って県立高校の相次ぐ閉鎖などが影響して人口の社会減が加速していた。しかし,同町の日和佐地区の有する景観資源と社会環境に支えられて,サテライトオフィスの誘致が順調に推移し,「滞在型オフィス」の数社を中心に社会的ネットワークの形成がはかられ,人口の社会減が鈍化するとともに交流人口の拡大が実現している。2016年度の研究では,県下でも神山町と並ぶ実績をあげている美波町を事例にして,誘致政策の仕組みを明らかにするとともに,進出サテライトオフィスを類型的に把握して,それぞれ展開の論理,集落再生への含意について,現地調査を踏まえて明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象地域における自治体,団体,企業,住民の皆様よりご協力を頂き、概ね順調に現地調査をすすめることができ、中間報告を日本地理学春季学術大会にて行なった。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度の調査研究に対しては追加調査を実施し,論文として公表予定である。これと並行して,秋田県内,山形県内,宮崎県内,沖縄県内の市町村を取り上げて,ICT産業,クラフト産業,機械金属工業それぞれにおけるスモールビジネスの存立の地域条件とそれが地域経済社会に果たす役割について究明していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者間の日程調整の困難により,予定していた共同調査,成果検討会の一部を実施できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
現地調査および研究打合わせのための旅費に充当する予定である。
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