研究課題/領域番号 |
16K03201
|
研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
小田 宏信 成蹊大学, 経済学部, 教授 (30280001)
|
研究分担者 |
鹿嶋 洋 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (50283510)
山本 匡毅 相模女子大学, 人間社会学部, 准教授 (30455555)
藤田 和史 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (90613216)
遠藤 貴美子 敬愛大学, 経済学部, 講師 (30781108)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | サテライトオフィス / 情報通信産業 / 電気・電子機器工業 / 人口減少地域 / 企業城下町 / 創業支援 / SOHO / 空き家活用 |
研究実績の概要 |
本研究プロジェクトでは,スモールビジネスの起業家精神が成り立つ地域条件およびそれが地域経済社会の持続的成長に果たす役割について実地研究を通じて究明することを課題としている。 研究期間2年度めにあたる2017年度には,,ICT企業を中心とするサテライトオフィス誘致および移住による新規起業支援に実績をあげている徳島県美波町の調査を昨年度に引き続き実施し,「滞在型」のサテライト企業のほぼ全てに対するインタビューを完了した。また,徳島県水産試験場の施設の一部を活用したコワーキングスペース「ミナミマリンラボ」の開設など新たな行政施策の状況を把握した。 また,重点的事例調査地域の2つめとして山形県長井市における地域産業調査の第1回目を2月に実施した。西置賜地域の中心都市である長井市では,電解コンデンサを生産する東芝長井工場(後のマルコン電子,ケミコン山形)が1942年に進出して以来,その下請企業群からなる企業城下町が形成されてきた。その最盛期の1986年には電気・電子機器工業だけで3000人の従業者数を擁したが,その後のグローバル競争とIT不況の中で生産規模は急減し,今日では全盛期の3分の1ほどの従業者規模になっている。企業城下町的な状況の崩壊後,自動車部品,光学機器,各種機械装置,IT産業など産業構成は多角化し,市では新規起業の支援も開始している。今回の調査では,企業城下町からのシフトを支えたのがスモールビジネスを含む中小企業群のアントレプレナーシップであると考え,長井市役所および長井商工会議所の担当者,インキュベーションマネージャー,民間企業7社に対するヒアリングを実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究対象地域における自治体,団体,企業の皆様よりご協力を頂き、概ね順調に現地調査をすすめることができ、長井市調査の中間報告を日本地理学春季学術大会にて実施した。本研究計画では,研究代表者および分担者の共同現地調査を重視しているため,相互間の日程調整に苦慮した面は否めず,当初計画よりも若干の遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
徳島県美波町の調査研究に対しては,東京都内において「循環型」サテライトオフィス企業に対する調査を実施し,論文として公表予定である。また山形県長井市の調査研究については追加調査を実施し,調査報告として公表予定である。他にクラフト系事業所に特化した地域,農業関連産業に特化した地域についても,調査を実施予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 研究分担者間の日程調整の困難により,予定していた共同調査,成果検討会の一部を実施できなかったため。 (使用計画) 引き続き現地調査および研究打合わせのための旅費に充当する予定である。
|