研究課題/領域番号 |
16K03449
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
上野 達弘 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (80338574)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 著作権法 / 著作物 / 類似性 |
研究実績の概要 |
本年度は、前年度に引き続き、著作物の類似性に関する網羅的な研究を比較法的観点を重視しつつ進めたが、その過程で、国際的な議論に参加することが極めて多かった1年でもあった。 例えば、2017年4月には、世界知的所有権機関(WIPO)において、フランスのピエール・シリネリ教授(ソルボンヌ大学)や米国のジェーン・ギンズバーグ教授(コロンビア大学)など世界各国から招待された11名の専門家の一人として、2日間にわたって議論を行った。また、同年9月には、中国北京の清華大学において、同大学、ドイツのフランクフルト大学、米国のペンシルベニア大学および早稲田大学による共同の研究会が行われ、上野自身も研究報告を行うほか、ドイツのアレクサンダー・ポイケルト教授(フランクフルト大学)、米国のクリストファー・ユー教授(ペンシルベニア大学)、崔国斌教授(清華大学)等と2日間にわたって議論を行った。 その他、メルボルン(同年8月)やソウル(同年11月)においても招待講演や研究報告を行う機会を得たと共に、国内でも多数の講演(日本語または英語)を行った。さらに、2018年3月には早稲田大学で大規模な国際シンポジウムを開催し、米国のマーク・レムリー教授(スタンフォード大学)等を招聘したほか、上野自身は、ドイツのマティアス・ライストナー教授(ミュンヘン大学)やベルギーのヒャトロイ・オーバーワル教授(ルーヴァンカトリック大学)等と共に議論を行った。 研究成果として、10本以上の論文を雑誌等に公表したほか、口頭の研究報告としては、英語による研究報告・講演を6回、日本語による研究報告・講演を17回行った。 総じて、今年度は特にプロダクティブな1年であったと認識している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は、申請時の計画に基づいた研究を進める共に、多数の論文等を公表することができたのみならず、当初の予定になかった外国における研究報告・講演が多数行ったことからすれば、当初の計画以上に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画としては、引き続き、年度ごとに予定された研究を進めるほか、近時の国際的な活動で関係を深めた外国の研究者と、さらなる共同研究を進めていきたい。すでに、ミュンヘン大学のアンスガー・オーリー教授とは、書籍の刊行を計画し、今年度中の刊行を目指すなど、いくつかの企画が進行中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、外国出張が多かったものの、招待講演として赴いたため費用負担をせずにすんだものが少なからずあり、支出が抑えられた反面、次年度は、招待されるもの以外にも海外出張を行う予定があり、少しでも次年度に繰り越すものとした。
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