研究課題/領域番号 |
16K03504
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
辛島 理人 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (20633704)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 民間外交 / フィランソロピー |
研究実績の概要 |
アメリカのフィランソロピーや日本の論壇・文壇を射程に入れて戦後日本の政治経済史を描く本プロジェクトは、具体的に1960 年代に日本で幅広い層に対して積極的な働きかけを行ったフォード財団を結節点にした、アメリカ民間財団・リベラルと日本の社民政党・労組、反共リベラル文化・知識人、経済官僚・財界との関係を検証することを目的としている。具体的には以下の二つがプロジェクトの柱である: ・アメリカ(ロックフェラー史料館など)にあるフォード財団関係資料や政府文書を用いて、①1960 年代におけるフォード財団から日本の社民主義者層への働きかけ ・日本(国立国会図書館憲政資料室など)にある個人関係文書や団体資料を用いて、 ②フォード財団に対する、日本の社民政党・労組の指導者、財界人(経済同友会)、および 反共リベラル文化人・知識人、官庁エコノミストらの応答、を検証する。 上記のような趣旨をふまえ、「戦後日本の社会民主主義とアメリカのフィランソロピー:1960年代の政治経済史」を検証するにあたり、その基盤的活動の一環として、本研究が対象とする主要なアクターである日本の財界とアメリカの関係について調査を行った。その成果として、塩原・稲津編著『社会的分断を越境する』(青弓社)に「民間外交と移民」を寄稿した。同書は新聞各紙(共同通信)に書評が出るなど反響をよんでいる。同書で取り上げた財界国際派(親米派)は20世紀の日米関係で無視できない存在であり、今後も調査を続ける予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本の財界人と20世紀のアメリカに関する基礎的な調査を終え、対象の中心となる20世紀後半について検証する準備を終えたため。
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今後の研究の推進方策 |
日本国内での聞き取り調査を進めるとともに、アメリカでの資料調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
アメリカへの資料調査を次年度以降に行うことにしたため、支出額が予定を下回った。
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次年度使用額の使用計画 |
10月に渡米を予定しており。その際に前年度からの繰り越しを執行する予定である。
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