研究実績の概要 |
今年度は「生産性の政治」を軸に資料調査を行った。アメリカ合衆国マサチューセッツ州ケンブリッジ市を訪問し、ハーバード大学の大学文書館でハーバードビジネススクールの歴史文書を閲覧した。1950年代から1960年代にかけて日本の労働運動の主軸を担うと期待された労働組合員が、ハーバードビジネススクールの労使関係プログラムに招へいされたが、それに関する資料調査を行った。 これまでの研究成果として、1957年前後の日本の東南アジア関与についての論文を発表した(「アジア、万博、梅棹忠夫 「文明の生態史観」における現在性と歴史性」、『中央公論』132巻2号、pp140-157、2018年2月)。ここでは、梅棹忠夫の東南アジアへのフィールドワーク、アジア経済研究所の設立、海外技術者研修協会の誕生など、同時に生じた東南アジア関与の制度化の意味を議論した。 国際的な成果発表として、ハワイ大学で行われた国際会議で研究報告を行った( 「Japan-Southeast Asia Relations in 1957: Ajiken, AOTS and Tadao Umesao」、『The Second HOKU (Honolulu Office of Kobe University) Symposium』、 Hawaii、(February 5 2018))。また、ソウル・西江大学で行われた国際会議では、戦後アジアと開発主義に関する議論を提起した。
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