研究課題
基盤研究(C)
近年、金融市場の分析では、毎分観測されるデータや、取引ごとに記録であるティック・データなど高頻度データの活用が注目されている。このデータを用いて、日々変動するボラティリティの推定値として「実現ボラティリティ」を求めることができる。この実現ボラティリティは、金融資産のリスク予測に役立てられている。この研究では、時系列分析の分野における近年の研究成果を使って、ボラティリティ変動モデルを様々に拡張した。その結果、新たなモデルでは、予測力の向上が見られた。研究成果は8編の論文にまとめられた。
計量ファイナンス
例えば、日経新聞社は日経225株価指数のボラティリティとして、日経RVを公表している。実現ボラティリティについて、その変動特性を明らかにすることは単に研究者の間だけでなく、金融実務家にとっても重要なことである。また、この研究成果の一つとして、モデルの推定と予測を比較的簡単に行えるように、カルマン・フィルターによる推定方法について検討し、その有用性を示した。