マレーシアとシンガポールを分析対象とし、1980年から2010年のデータを用いた分析の結果、共通の産業発展経路を持つことが実証的に示された。背景として、ASEAN自由貿易協定の交渉等を経て、マレーシアとシンガポールの間で自由貿易が行われるようになり、財市場の統合が産業構造の連動を導き出したと考えられる。また、分析期間中、常にマレーシアが労働集約的な生産パターンに留まっていたのに対し、シンガポールは堅調な資本蓄積を進めたことにより資本集約的な生産パターンへと発展していったことが、理論に基づいた形で証明することができた。
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