研究代表者と研究協力者(シドニー工科大学准教授 丸山士行)は、日本の学校給食が中学生の体重に与える影響についての論文を完成させた。この論文では、サンプル全体では有意な影響は全く認められないが、社会経済的地位の低い世帯の子供に限定して分析すると、給食があると有意に肥満が減少するという結果が得られた。さらに、この肥満減少効果が中学卒業後数年間は持続することから、給食は健康的な食事を通じて直接的に肥満を減少させるだけでなく、健康的な食習慣を促すことで長期的な肥満減少につながることが示唆された。このことは日本政府が謳う「食育」効果と整合的である。一方で、やせすぎへの有意な影響は認められなかった。
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