本提案ではCEVモデルのような局所ボラティリティ・モデルにおいて、株式オプション価格を2項分岐木を用いて計算することを目標としていた。偏微分方程式の漸近展開法に習い二項分岐木上でテイラー展開を行ないオプション価格を求める予定であった。しかし、元の偏微分方程式アプローチすら低次の展開では十分な精度が得られないという懸念を持った。そこで、偏微分方程式アプローチにフーリエ解析と多項式計算を適用し高次漸近展開を行なう方法を考案し論文にまとめた。その結果、低次の展開では十分な計算精度を得られず、二項分岐木による近似は難しいことが判明した。一方、新しい高次漸近展開による価格計算手法を提案することができた。
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