本研究では、日系企業の中国・タイにおける第二次大戦前・大戦後の進出とマーケティングの歴史、および中国・タイにおける現地系洗剤メーカーと日系企業の合弁会社の発展とマーケティングについて、強みとなるシステムないし製品・サービスの構築・移転、そしてアジアの流通環境への適応という二つの軸という観点から比較研究を行った。その結果、自社の強みとなるシステムや製品に強く依拠する日本企業(花王)と、合弁形態を優先しアジアの流通環境への理解と適応を進める日本企業(ライオン)という2つの類型を見出した。日本と中国、タイの流通・マーケティングの共通性と多様性についての知見も深められた。
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