研究課題/領域番号 |
16K03836
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
松本 雄一 関西学院大学, 商学部, 教授 (10336951)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 実践共同体 / 学習療法 / 活動理論 / 越境 |
研究実績の概要 |
当該年度においては調査活動と、その結果を用いた研究成果としての論文執筆を行った。 まず調査活動においては介護施設における学習療法、およびその過程における実践共同体の形成について調べるため、学習療法実践研究シンポジウムに参加し、多くの実践についてデータ収集した。年々都道府県単位の実践共同体が増えていること、個々の介護施設の実践についても、先行事例を参考に導入がスムーズに進んでいること、その上で現場でのモティベーションの維持が課題になっていることなどがわかった。 そして研究成果については、まず3本の論文を執筆し、学会誌に投稿した。いずれも介護施設のデータを用いた実践共同体の論文であり、そのうち国際学会「ヨーロッパ組織学会(European Group for Organizational Studies)の発表申請論文は審査を通過し、7月に発表を行うことになった。現在発表に向けての論文を執筆中である。2本目の日本ナレッジマネジメント学会への投稿論文、活動理論と実践共同体の関係について考察した論文は採択されることが決まり、平成30年度中に掲載される見通しである。もう1本は査読プロセス中であるが、おおむね順調に審査されている。加えて1本の学内紀要論文を執筆した。実践共同体の先行研究の整理であり、著書の一部として重要な役割を果たす内容である。 調査活動は引き続き継続していくが、実施計画にも記載した研究成果の公表については、査読論文が2本採択されており、積極的に成果が生まれている。最終年度は著書の出版によって、研究実績を広く公表する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査活動がおおむね順調に推移していることに加え、それらの結果をまとめた研究成果の公表として、学会誌への投稿を行ったこと、その3本のうち2本が採択されたことが大きい。採択された論文については今回の課題期間における調査からのデータを用いた事例が高く評価されており、実践共同体の理論研究に寄与できている。海外での学会発表申請も採択され、国際的に研究成果を発表できる機会を得たことも意義があると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は学会誌への掲載に向けた努力や、海外学会での発表を行うこともあるが、最優先すべきことは、研究成果を総括した著書の出版である。平成30年度中の出版を目指しており、すでにおおむね原稿は完成しているが、細部の修正を行っている段階である。最終年度に向けてよい成果を発表できるよう、鋭意努力していく。その中でも調査活動は継続していきたい。研究実施計画にも記したリーダーシップ研究との融合については、活動理論の検討を通じてその実践を吟味していくことにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた金額よりも抑えて調査活動を実施することができたため、次年度使用額が生じた。ヨーロッパ組織学会(European Group for Organizational Studies)での発表が決まり、またアメリカ経営学会(Academy of Management)への参加も検討しており、その出張旅費に充てることとする。
|