研究課題
基盤研究(C)
本研究課題は、グローバル化とICTの進展による労働の変容を、ホワイトカラーも含めた単純労働の国際移動と下層化、他方での高度な感情労働の称揚と上層化と捉えた。その中で、下層へと転落するのを避けるために、心理学的な知を通した対人関係マネジメントの習得とそれを通した自己実現が称揚され、それが達成できないことを自己責任とする2000年代後半からの労働・教育のあり方を批判的に検討した。
社会学
世界システム論等の知見を取り入れつつ感情労働を軸として世界が中枢-周縁図式に再編されるメカニズムとそれによる統治の特性に関して理論的な考察を試みた。また同時に、日経ビジネス、日経ウーマンといった雑誌の記事や政府が90年代より試みてきたさまざまな政策提言を元に、「望ましい人材」像として感情マネジメントをうまく行えることがますます重視される社会となっていることを考察した。