本研究は,大学生のコミュニケーション能力を促進する省察過程やその学習環境を明らかにすることを目的とし,コミュニケーションを伴う様々な場面(プレゼンテーション,授業づくり,海外交流等)で実施された省察のテキスト情報を収集した。質的な分析では,他者と協力しながら教師としての能力を高めていくプロセスを数年間かけて追い,実践直後の省察に加えて,長期間を見通した省察が個人の成長に欠かせないことが示唆された。量的な分析では,テキストマイニングを用いた省察を解析により,長期間を見通した省察に比較して,実践直後の省察では,教育・学習ドメインの名詞が多く含まれる傾向が示唆された。
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