本研究は、中・高年期の既婚成人の幸福感を取り上げ、子どもの有無によるその規定因の違いや、世代性や夫婦関係のような心理的変数との関連、そして就業状況のようなキャリア変数との関連について、オンライン調査を通して、検討することを目的としたものである。結果としては、子どもの有無によって主観的幸福感には有意差はみられず、子どもをもたない人でも世代性行動を行い、世代性関心を高めることが幸福感につながることが示された。また、中年期では、子どもをもたない人のほうがもつ人よりも夫婦の共行動や親密性の程度が高く、夫婦共行動をして、親密度を高めることが幸福感につながっていることが示唆された。
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