| 研究課題/領域番号 |
16K04344
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| 研究機関 | 千葉大学 |
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研究代表者 |
平野 好幸 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任准教授 (50386843)
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| 研究分担者 |
大島 郁葉 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任助教 (40625472)
中川 彰子 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任教授 (70253424)
土屋垣内 晶 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30778452)
大渓 俊幸 千葉大学, 総合安全衛生管理機構, 准教授 (60456118)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 認知行動療法 / 強迫症 / 自閉スペクトラム症 / MRI / 認知機能検査 / 治療抵抗性 / fMRI / 拡散テンソル |
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| 研究実績の概要 |
強迫症（Obsessive-Compulsive Disorder: OCD）とは、意志とは無関係に繰り返し頭に浮かび、不快感を生じさせる強迫観念と、強迫観念を振り払うため、繰り返し行われる強迫行為からなる精神疾患である。OCD患者の中には自閉スペクトラム症（Autistic Spectrum Disorders: ASD）を併存する患者が相当割合存在するが、ASD傾向が高まるにつれ、OCDに対する認知行動療法（Cognitive Behavioral Therapy: CBT）の効果が得られにくいことが報告されている。本年度は、OCD患者8名に対して、CBTの前後にMRI検査（安静時fMRI、形態的MRI、拡散テンソル画像）と神経心理検査を実施した。同時に、自閉スペクトラム症を併存することにより生じる治療抵抗性の原因を脳形態的に探索するために、これまでにMRI検査が終了しているOCD患者の形態学的脳画像データを自閉スペクトラム症（Autistic Spectrum Disorders: ASD）の併存の有無により2群に分け、VBMを用いてCBT開始前の脳灰白質体積を比較した。その結果、ASDを併存するOCD群では、ASDを併存しないOCD群と比較して後頭皮質の灰白質体積が有意に減少していたことが示された。さらに、CBT実施後のOCD症状の寛解の有無により、CBT開始前の脳灰白質体積を比較した。ところ、寛解しなかった群は背外側前頭前皮質の灰白質体積が有意に減少していた。これらの結果は、後頭皮質や背外側前頭前皮質の灰白質体積変化が、OCDのCBTに対する治療抵抗性を引き起こす可能性を示唆している。また、背外側前頭前皮質の担う実行機能の低下がある場合には、CBTの治療抵抗性が高まる可能性も示唆された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ASDの診断体制の整備と症例対照比較研究の準備が整い、CBTプログラムの策定とCBTの質の確保、認知機能検査の選定を完了し、OCD患者のCBT、認知機能検査およびMRI検査を開始したため。
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| 今後の研究の推進方策 |
引き続き、OCD患者のリクルートとMRI検査と神経心理検査を継続し、認知行動療法プログラムの有効性の評価、認知機能・心理評価尺度、脳機能・形態とCBT の効果との関連性の検討を実施する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
MRIデータ解析を既存のシステムで実施できたため次年度使用額が生じた。
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| 次年度使用額の使用計画 |
認知機能検査実施者の謝金、画像解析に用いるワークステーションとソフトウェアの導入、研究成果を学会で発表するための旅費と学会登録費、英文校閲費、論文投稿料として使用する予定である。
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