研究課題/領域番号 |
16K04473
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
伊藤 博之 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (80243343)
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研究分担者 |
永田 智子 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (10283920)
宮田 佳緒里 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (10759434)
溝邊 和成 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (30379862)
奥村 好美 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (30758991)
森山 潤 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (40303482)
長澤 憲保 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (60228004)
吉水 裕也 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (60367571)
松本 伸示 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (70165893)
黒岩 督 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (80153394)
米田 豊 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (80432582)
吉田 和志 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 特任教授 (70610385)
山内 敏男 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (70783942)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | シナジー効果 / 教職大学院 / カリキュラム改善 / ボトムアップ型FD / 授業研究 / 同僚性 / 学び合い |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、教職大学院において追究される「学部段階での資質能力を修得した者の中から、さらにより実践的な指導力・展開力を備え、新しい学校づくりの有力な一員となり得る新人教員の養成」と「現職教員を対象に、地域や学校における指導的役割を果たし得る教員等として不可欠な確かな指導理論と優れた実践力・応用力を備えたスクールリーダー(中核的中堅教員)の養成」について、それぞれの特殊性を活かすシナジー効果を発揮させることによってより高い授業力育成の可能となるような専門領域のカリキュラムとその運用法の実践的開発である。 その目的を達成するため、初年度(2016年度)は、月1回程度、専門科目を中心とした教職大学院の担当授業について、2015年度に引き続き科研関係者で集まって授業検討会を行い、当該授業の到達点と課題を確認すると同時に、専門科目カリキュラム改善のための方策を検討した。(ボトムアップ型FDの実践) それと平行して、昨年度までのボトムアップ型FDの実践についてその到達点と課題について、論文を共同執筆し、本学紀要に投稿し、掲載された。また、シナジー効果をより発揮するための授業改善やカリキュラム改善を行うための基礎データとして、2016年度2年生に対する意識調査を行い、その分析と合わせて論文を共同執筆し、本学紀要に投稿した(掲載予定)。 また、当初の予定通り、当該テーマについて先進的な実践を行っている福井大学教職大学院への訪問調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に計画していた、「専門科目を構成する10の科目中、院生の実践研究をゼミ形式でサポートする「教育実践開発研究」を除く9科目について、①科目の到達目標の構成、②目標実現の程度を測定するための評価方法(例えば適切なパフォーマンス課題の設定)、③その評価のためのルーブリックの作成、④評価された結果の適切なフィードバック方法の開発および⑤それを助けるツールである振り返り票の開発を行い、授業にて実際に使用した上で、その適否や必要な改善点を確認する」ことを行った。これらは、2017年度のシラバスに反映されている。 また、上述の通り、「シナジー効果を発揮させることによってより高い授業力育成の可能となるような専門領域のカリキュラムとその運用法の実践的開発」の基礎作業としての授業研究や意識調査を行い、その結果等を論文にまとめ、投稿(掲載)した。 加えて、上述の通り現職院生と学卒院生との協働的活動に工夫を加えている、福井大学教職大学院での実践やその理論的背景を調査した上で、実際に大学を訪れてその担当教員との意見交流などを行った。
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今後の研究の推進方策 |
ほぼ計画通りに進んでいるため、今後も交付申請書に記載した「研究実施計画」に沿って研究を進めていく。 具体的には2017年度は、《現職院生と学卒院生の共修科目》である、【前期科目】「学習環境とICT活用」(研究分担者の永田、森山と研究代表者の伊藤が担当)と「授業研究の理論と実践」(研究分担者の松本、吉水、森山、永田が担当)、【後期科目】「学習指導と授業デザイン」(研究分担者の吉水、松本、中村、宮田が担当)「授業実践研究のためのデータ分析」(研究分担者の森山、黒岩、宮田が担当)、「教師の専門的思考と知識基盤」(研究分担者の黒岩、長澤が担当)について、現職院生と学卒院生各々の経験や能力の差を活かしてシナジー効果を期待し得る協働的活動の在り方の開発を行い、授業にて実際に使用した上で、その適否や必要な改善点を確認する。この際、前年度に作成・改良した評価ツールを用いることで、科目目標の到達度合いを正確に測定・評価するとともに、関係教員、受講生に対して適切なフィードバックを行う。同時に、《現職院生と学卒院生との別履修科目》である「授業実践における専門的技能」(研究分担者の溝邊、森山、永田、大西が担当)と「メンタリングの理論と実践」(研究分担者の長澤、宮田が担当)、「カリキュラムデザインの基礎」(研究分担者の溝邊、森山、永田、大西が担当)と「学校カリキュラムのデザインと推進体制」(研究分担者の米田と研究代表者の伊藤が担当)について、部分的に合同授業を行うなどの場や機会を設け、その場で可能な現職院生と学卒院生各々の経験や能力の差を活かした協働的活動の在り方の開発を行い、授業にて実際に使用した上で、その適否や必要な改善点を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた出張調査(1回分)が翌年度に延期になったことが最大の原因。また、それに伴って、必要な書籍や資料収集に関わる費用も繰り越しになった。
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次年度使用額の使用計画 |
当初予定していたものに加え、延期された出張調査を行う。
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