研究課題/領域番号 |
16K04506
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研究機関 | 大阪商業大学 |
研究代表者 |
宮坂 朋幸 大阪商業大学, 総合経営学部, 准教授 (90461954)
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研究分担者 |
小野 雅章 日本大学, 文理学部, 教授 (70224277)
冨士原 雅弘 日本大学, 国際関係学部, 准教授 (30339238)
塩原 佳典 畿央大学, 教育学部, 准教授 (40769650)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 学校所蔵史料 |
研究実績の概要 |
本共同研究の目的は、長野県諏訪市立高島小学校(以下、高島小学校)が所蔵する1860年代後半から1980年代に及ぶ厖大な資料の悉皆調査、整理・分析を通して、日本近代における地域社会と学校との関係を通史的に明らかにするための前提条件を整え、その見通しを提示することである。高島小学校のように、一地域の近代以降の教育関係資料を一機関で網羅的に保管している学校は全国的に見てもほとんどない。それは、全国一の保存量・質の資料を持つ同県松本市旧開智学校に次ぐ量と質である。 研究成果の第一は、当該史料の整理・目録化である。校舎内外の2ヵ所に保管されていた資料の内、文書資料(「史料」)を文献庫(史料保管庫)に集め、明治、大正、昭和戦前、昭和戦後の各期に分類して再配架するとともに、それらの仮目録を作成した。そのうち、明治期の史料(2107件)は、一件ずつに番号を付して中性紙封筒に封入し再配架するとともに、目録化し、印刷・製本した。第二に、史料学的な観点からこれらの史料の意義を確認した。検討の結果、学校が意図をもって収集し、その後、継続的に保管しているという意味で「学校所蔵史料」と呼ぶことが相応しいと結論付けた。第三に、旧開智学校所蔵史料との比較によって史料的価値を明確にし、これらの史料の活用によって本格的な地域教育史研究を開拓できる可能性を示した。第四に、史料の所蔵状況の特質を解明した。特に、同窓会が建築主体となった文献庫は地域の人々の高島小学校に対する思いを象徴するものであることが明らかになった。第五に明治期の注目すべき史料を抽出した。大和学校新築関係史料、「諏訪郡中等教育発達史 原本」、植物園日誌がそれである。以上、第二から第五までの成果は、報告書として、印刷・製本した。 今後の課題として、大正以降の精緻な目録も作成し、これらを使って、地域教育史研究の新たな方法論を追究していきたい。
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