本研究は、近代における生活改善運動とマスメディアとの関連を明らかにすることを目的とした。具体的には、大正・昭和初期生活改善運動と雑誌の関連、及び、戦後初期・高度成長期新生活運動と新聞の関連を記述した。 前者については、大正前期までに雑誌メディアが都市新中間層を対象とした生活改善の啓蒙スタイルを創出していったこと、昭和初期にその啓蒙手法が批判され、生活改善運動による雑誌の利用は、農村共同体を重視する形態に変化したことを明らかにした。 後者については、戦後の生活改善運動(新生活運動)が新聞メディアによって強く推進され、自治体行政が新生活運動に取り組む契機の一つを形成していたことを明らかにした。
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