研究課題/領域番号 |
16K04562
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
垣花 真一郎 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (00550724)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 幼児教育・保育 / かな文字習得 |
研究実績の概要 |
かな文字は、多くの子どもが就学前に習得することから、習得は容易だと考えられている。しかし、特殊表記(濁音文字(e.g., が)、拗音表記(e.g., きゃ)など)に限ってはそうではない。就学後もこれらの文字・表記に困難をもつ者は少なくなく、中には読み書き障害と診断されるケースもある。就学前教育において、こうした問題を予防するための取り組み、および効果的な読み書き障害への介入方法が求められている。 本研究では、濁音文字、拗音表記それぞれについて、次の習得支援法を考案した。(1)濁音---「音の濁り」に気付かせる歌・リズム遊び:これは擬音語・擬態語が濁音化すると「重く・大きく」感じられる現象や音程の高低を利用したものである。(2)拗音---「音の合体」に気付かせる歌・リズム遊び:これは、たとえば、「に」と「や」が合成されると「にゃ」(猫の鳴き声)になるように、2つの音が合体するとあるものが現れるという歌・リズム遊びである。これらを幼稚園での保育実践、家庭での映像メディアの2つの方法で実施し、それぞれについて縦断調査を行うことで、読み書きへの効果を検証する。 本年度は、プログラム開発のための基礎資料作成を行った。第一に、プログラムに使用する単語や文字の選定である。具体的には、ベストセラー絵本合計101冊を電子データ化し、文字別の頻度、単語別の頻度を計算し、使用する文字・単語の選定を行った。第二に、プログラムに使用する歌・リズム遊びのマニュアルの作成である。幼児教育経験者を演者にして、本研究で開発した歌・リズム遊びをビデオ収録した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成28年度は研究代表者が勤務先を異動した初年度であり、調査協力園の開拓、研究環境の構築などに予想外に時間と労力を費やしたことが原因である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定数に比べて調査協力園の確保できていないことを踏まえ、家庭での調査に集中するように計画を変更する。具体的には、介入課題をビデオ化した教材を作成し、家庭での実施を行ってもらい、その結果を追跡調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、研究代表者が現在の大学に赴任した最初の年度であった。このことから、調査協力園の開拓や、研究環境の再構築などに大幅に労力がかかり、研究の進捗が遅れたのが原因である。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度においては、研究計画を一部変更し、家庭調査の方を主とする。このことにより、家庭調査のためのビデオ教材の作成費や、調査のための交通費、調査員の人件費などに研究費を使用する予定である。
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