本研究の目的は、歌唱における生徒自身の内的フィードバック能力(自分自身の歌唱の音高・音程があっているかどうかについての認知)向上と生徒の心理面に着目して、中学生の自己肯定感向上に繋がる音痴克服のための歌唱指導法に関する実証的研究を行うことである。中学生を対象とした実態調査からは、中学生の約5割が自分自身を音痴だと思っており、音痴意識と内的フィードバック能力との関連もみられることが明らかとなった。また音痴意識を持つ中学生を対象とした歌唱指導の実践においても、内的フィードバック能力の向上が、歌うことへの自信に関係することが示唆された。
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