研究課題/領域番号 |
16K04680
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
田村 徳至 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 講師 (60710085)
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研究分担者 |
小山 茂喜 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 教授 (10452145)
長瀬 一治 信州大学, 学術研究院社会科学系, 教授 (60303468)
河野 桃子 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 講師 (10710098)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 消費者教育 / 社会科・公民科教育 / 金融・経済教育 / 行動経済学 / 消費者法・契約 / 教育方法 / 情報 |
研究実績の概要 |
本研究は、我が国の中等教育における金融消費者教育カリキュラムを再構築するための原理と方法を明らかにすることであり、平成29年度は、研究の推進期という位置づけであった。今年度は、消費者教育実践上の成果と課題の調査を行う予定であったが、まずは中学生の経済的状況における判断傾向を把握することに重点をおいた調査を行った。 1.研究1年目(平成28年)の調査結果を、6月の日本消費者教育学会第1回関東支部大会にて発表した。調査内容や今後の研究の方向性に関する新たな知見を得ることができた。この結果を論文としてまとめて発表した(信州大学総合人間科学研究第12号)。2.本年度6月に実施した、中学生向けの経済的場面における判断傾向に関する調査結果を日本社会科教育学会(千葉大会)にて発表した。全ての中学生の判断傾向が明らかになったわけではないが、調査内容(質問項目)に関する新たな知見を得ることができた。2つの学会発表ともに、2年目中盤までの研究成果を発表することができた。3.平成28年度に引き続き、アメリカとイギリスの教科書・資料集の分析を行っており、徐々にその結果が明らかになりつつある段階にきている。4.我が国の契約に関する法体系と中世ヨーロッパの法体系との関係性に関わる分析も徐々にではあるが進行している。 5.新たな視点として「情報」を取り入れ、販売者側がいかに情報を駆使して消費者に購買に関わる影響を与えているかに関する研究も行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.国内の教科書分析はほぼ終了しているが、教科書分析と長野県内の教員の消費者教育に対する意識調査分析を基にして、中学校の消費者教育学習指導案を作成して実践した。 外国(アメリカ・イギリス)の消費者教育の実態把握と契約を中心とした法律分析が遅れている。 2.松本市内と名古屋市の中学校の協力を得て、経済的場面における中学生の判断傾向を明らかにすることができた。次年度も複数校での調査を行うことで、数値の精度を上げていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
1.次年度は研究の最終年度として、2年間の研究成果をまとめ上げる。特に、「情報」に関わる消費者教育の学習プログラム(単元指導案)を作成し、複数校で実践することで、有効性を確かめる。 2.契約を中心とした法律の特色をまとめ上げ、学習プログラムの作成に生かしていく。 3.引き続き外国文献の分析を行うことで、アメリカやイギリスの消費者教育のプログラム・教材を参考としながら、教材開発を進めていく。 最終的に、研究報告書を作成し、3年間の研究成果を広く公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査研究の分析に関わるデータ処理を研究代表者と研究分担者とで行ったことにより、学生アルバイトなどを雇用する必要がなくなったことが理由の一つにあげられる。 また、研究成果を公表するための学会発表会場が、研究代表者の勤務地から近かったこともあり、旅費が少なくてすんでいる。今後の計画として、研究成果を広く公表するための報告書作成費用、資料・書籍購入、学会発表地が遠方(奈良・宮崎)のための旅費等に有効に使用する予定である。
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