研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ピアジェの段階論的な発達観において数の保存概念がないとされてきた乳児も、一個の物、二個の物、三個の物を区別する数認識を有することが80年代以降明らかにされている(Antell, 1983)。これは、「数と計算」の学習に困難のある子どもたち、とりわけ知的障がいのある子どもたちへの新たな教育介入の可能性を示唆する。 知的障がいのある子どもたちの算数教育として、「原数学」が提案され(遠山, 1972)、実践されてきた。しかし、それに続く学習は、百までの数唱を機械的に繰り返すことに止まっている。本研究は、お金を数えるなどの数概念を操作する学習達成の可能性を実証的に示し、そのデータベース化を進めた。
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