リン脂質単分子膜で覆われた油水界面は、生物学・工学分野において非常に重要な構造である。しかし液液界面を研究する手段が非常に限られているため、リン脂質単分子膜の形成機構や単分子膜の構造は未解明である。 そこで本研究では、リン脂質一分子膜の集合体(ミセル)とリン脂質二分子膜で囲まれた球体(ベシクル)が油水界面とどのように相互作用するかについて研究を行った。その結果、(1)リン脂質単分子膜の構造は油の粘度に依存する、(2)ベシクルは油水界面に吸着後、自発的に単分子膜を形成する、(3)ミセルに比べベシクルの反応性は非常に低い、ということが明らかとなった。
|