正標数の代数多様体とその特異点上の累次フロベニウス直像の構造について,F正則性,ファノ性,及び対数的端末特異点との関連性を踏まえつつ,有限F表現型(FFRT)の観点から考察し,以下の研究成果を得た. 1.(大川領氏との共同研究)正標数pの2次元正規次数環(擬斉次特異点)は,それが対数的端末特異点をもつ場合はFFRTをもつが,それ以外の場合,標数pに依存する例外を除きFFRTをもたない. 2. 5次デルペッツォ曲面の反標準環のFFRT性について幾何的な手法で研究し,奇標数における階数3の自己双対的な直既約フロベニウス直和因子を見い出した.また,標数2,3においてはFFRT性が成り立つことを示した.
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