3次元ユークリッド空間内の周期的極小曲面は界面活性剤の膜の数学的モデルであることが知られており,1990年代に物理学者たちが様々な変形族を考察している.一方,極小曲面の安定性は面積最小性によって記述されてきた.特に1984年にBarbosa-doCarmoによって精錬された体積保存安定性による考察が有力視される.本研究課題によって物理学者たちが扱ってきた変形族に対して体積保存安定の状態を特定することができた.また,界面活性剤の膜の温度を変化させるとラメラ構造と呼ばれる,平面が周期的に並ぶ膜に変位することが知られている.このラメラ構造が三重周期的な極小曲面の極限として記述できるという示唆を得た.
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