大部分の3次元多様体は双曲構造に支配される.また,双曲多様体は双曲空間の等長変換群の離散部分群と対応する.したがって,双曲等長変換の組が与えられたときに,それらが離散群を生成するかという問いは素朴ながら非常に重要な問題である.本研究ではこの問題へのアプローチとして,錐双曲構造を経由することで様々な2元生成群を「道」でつなぎ,さらに,標準的な基本領域の組み合わせ構造を特徴付けることで上記の基本的な問題への手がかりを与えることを目的としたものである.基本的な問題の完全解決には至っていないが,基礎理論の整備と新しい「道」の候補を発見したことは大きな前進である.
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