• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

次元論および距離空間の埋蔵問題から考察するcoarse幾何学の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K05160
研究機関早稲田大学

研究代表者

小山 晃  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40116158)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワード位相幾何学 / Coarse幾何学 / 次元論 / ANR理論
研究実績の概要

研究協力者Jerzy Dydak(テネシー大学教授、アメリカ)を2017年3月8日から3月23日まで招聘し、ワークショップ「第10回早稲田幾何学的トポロジー研究集会」を開催した。参加者は国内外から15名であったが、最新の研究成果の発表や今後の課題などを議論した。それによりCoarse幾何学の位相空間論的側面の最新の研究情報に触れることができ、当面の課題を明確にすることができた。
ANRを局所的なホモロジー群の自明性から解析して、特徴付けられるか否か研究を進め、代数的ANRという概念にたどり着いた。これはANR理論では「連続写像とホモトピー」の概念からANRを議論したことと対比して、chain homomorphismsとchain homotopyの概念を用いて一般化を図ろうとするものである。一定度まとまった形になったのでVesko Valov(ニピッシング大学教授、カナダ)との共同研究として論文にまとめている。
また、1次元野生的空間による分解空間のホモロジー群の計算を元に分解空間のホモトピー型を決定する新しい方法を見いだすことができ、例えばshape群では自明ではないがCech ホモロジー群では自明であることで知られているCase-Chamberlin連続体を3次元ユークリッド空間へ埋め込んだときに得られる分解空間の(プロ)ホモロジー群を計算することでシェイプ型が自明であること、及びソレソイドによる分解空間とは異なるシェイプ型をもつを示した。これもVesko Valovとの共同研究としてまとめる方向で議論をしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り研究協力者Jerzy Dydak(テネシー大学教授、アメリカ)を招聘してワークショップを開催するができた。それによCoarse幾何学の位相空間論的側面の最新の研究情報に触れることができ、当面の課題を明確にすることだできた。また、Coarse幾何学にANRの概念を効果的に導入できるか考察する過程でANRを局所的なホモロジー群の自明性から解析して、代数的ANRという概念にたどり着いた。これらはVesko Valov(ニピッシング大学教授、カナダ)との共同研究として論文にまとめている。さらにこの研究を通じて必要となった野生的空間による分解空間のホモロジー群の計算を元に分解空間のホモトピー型を決定する新しい方法を見いだすことができたので論文としてまとめる方向で議論をしている。
これらワークショップによる次への課題の設定化および新規論文への取り組み状況から「おおむね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

国際研究集会「Geometric Topology and Geometry of Banach Spaces」(the Eilat Campus of Ben Gurion University of the Negev (Israel))(2017年5月14日ー19日)に出席し、上記の研究成果を主とする講演を行う。
国際研究集会「The 2nd Pan Pacific International Conference on Topology and Applications」(釜山・韓国)(2017年11月13日ー17日)のgeometric topologyセッションを企画し、関係する幾何学的トポロジーの研究成果の発表と情報の交換を行う。
ANRの側面であるANEの概念をcoarse幾何学へ展開することを試みる。また代数的ANRの概念をcoarse幾何学へ導入することが可能か例を通して検証を試みる。
asymptotic次元論の現状はは可算的無限次元の意味の解明にあるが、次の段階としてsmall scale幾何学における次元論の強力な結果「Alexandroffの定理」のasymptotic次元論版を考察して、無限次元asymptotic次元論の進展を図る。
研究の過程で生じたsmall scale幾何学の問題「空間が有限次元ならば代数的ANRの概念を完全に局所的なホモロジー群の自明性によって決定できるか、ホモロジー群の局所自明性はホモトピー群の局所自明性を導くか」を考察する。

次年度使用額が生じた理由

2016年8月に、2017年5月14日ー19日にイスラエルで国際研究集会「Geometric Topology and Banach Spaces」が行われるとの案内及び招待講演の招聘があった。この集会は私の研究と深い関わりがある世界の研究者が一堂に会するものなので是非とも参加したいと考えた。また、2017年度は私自身がオーガナイザーに一員である第2回環太平洋トポロジー研究集会(11月13日ー17日・釜山・韓国)への出席を予定しているので、イスラエルへの渡航費分を次年度へ繰り越した。

次年度使用額の使用計画

2017年5月14日ー19日にイスラエルで国際研究集会「Geometric Topology and Banach Spaces」へ出席するため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (2件)

  • [国際共同研究] ニピッシング大学(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      ニピッシング大学
  • [国際共同研究] テネシー大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      テネシー大学

URL: 

公開日: 2018-01-16   更新日: 2022-02-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi