本研究の目的は結び目図式を局所的に変化させる局所変形を用いて,結び目全体の構造の解明や個々の結び目の位相的性質を把握することである。本研究では、単純リボン融合という変形とプレッツェル結び目と呼ばれる結び目の研究に注力し、成果を得た。結び目の位相型に対して定まる値を不変量というが、計算することは簡単ではない。さらに、変形の前後での変化量はさらに求めることが困難である。そのような中で本研究では、アレキサンダー多項式という不変量に対し、単純リボン融合による変化量と、可約性という性質を持つプレッツェル結び目の値を求めることに成功した。さらにこれらを用いて様々な結果を得ることで結び目理論を進展させた。
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