研究課題
基盤研究(C)
当研究において得られた最も大きな成果は、コーシー分布に従う確率変数のパラメータ推定の問題の進展である。ガウス分布と並んで典型的な安定分布であるコーシー分布は、その分布が数学的にあまりよい性質を持たないため、不偏推定量をもとにした数学的解析は従来あまりよく知られていなかったが、当研究において数多くの性質が解明された。
確率解析学
従来推定論の応用ではガウス分布が多く用いられているが、必ずしもそれは常に妥当とはいえず、コーシー分布のような除外値許容的分布の方がふさわしい場合もある。当研究によってコーシー分布が実用的問題へ応用できるようになった。また学術的にはこの研究を通じて擬算術平均をはじめとする多くの数学的成果がコーシー分布を典型例として得られた。