研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ユークリッド空間上の調和解析を半単純リー群上に拡張する研究は、調和解析の主分野となっている。フーリエ解析の類型までは完成しているが、一般の特異積分論となると実ランク1な半単純リー群およびその拡張であるヤコビ解析の場合を除くと、結果に乏しい。今回の逆アーベル変換をユークリッド空間の分数微分作用素で表す手法により、例ではあるがSU(n,m)(ランクn) の場合に結果が得られたことは意義がある。とくに上記手法の有効性を確かめることができた。計算にはSU(n,m)の具体的な構造を用いているので、今後はこの性質を一般の高ランクな半単純リー群に拡張したい。
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