研究課題
1. 研究代表者は平成30年7月に台湾で行われたThe 12th AIMS conference on Dynamical Systems, Differential Equations And Applicationsに参加し最新の研究成果の発表と関連する研究の情報収集を行った。海外連携研究者のJ.I.Tello氏と共同研究中の走化性モデルにおいて、腫瘍浸潤モデルに関連する場合について新たな進展があり、これについてて発表した。2.研究代表者らは数値シミュレーションのためのソフトの最新版を導入し、さらに精密な腫瘍浸潤モデル、走化性方程式の数値実験を試みた。3.昨年度、Chaplainらは非局所腫瘍浸潤モデルの妥当性の根拠として、非局所項をテイラー展開によって近似する方法を用いたが、これに従い局所型腫瘍浸潤モデル(Chaplain-Lolas)における我々の方法を用いて解の存在を示し、各展開項と数値シミュレーションと比較し現象との関連性について特徴付けることができた。一方、非局所腫瘍浸潤モデルの理論解析にはChaplainらの結果があるが、古典解以上の解の滑らかさは期待できない。ところが、テイラー展開には解の十分な滑らかさが必要であり、これが数学的に保証されてない限りモデルの妥当性も保証されず、これを示すことが重要な課題であるという認識に至った。そこで彼らの方法とは全く異なるアプローチを検討し、非局所項に適当な拡張を施し特異積分作用素として再定義し、これを係数とするある非線形発展方程式に対する問題として捉え直し、これのエネルギー評価式を導くことに成功した。これを用いて十分滑らかな解の存在を示し、非局所腫瘍浸潤モデルの妥当性とその数学的妥当性を共に保証することに成功した。4.平成31年3月にイタリアで行われたMACMESE’19において3で得られた研究結果を発表した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件)
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