近年は無線や大容量の光ファイバーを利用した通信が欠かせない情報化社会となっている。その理論的な基礎学問分野として通信理論・情報理論がある。そこではエントロピーやダイバージェンス(相対エントロピー)は重要な役割を演じている。特に,通信理論においてダイバージェンスの特別な場合である相互情報量の最大値は通信路の信頼性を測る誤り確率の上界の指数に表れるため,数学的にダイバージェンスやエントロピーの上界や下界を研究することは重要視されている。本研究課題においては,研究代表者が得意かつこれまでに培った不等式の知見によって,情報科学の基礎をなすこれらの情報量の数学的性質の最新の研究成果を与えるものである.
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