研究実績の概要 |
銀河系中心への物質供給プロセスと中心星団の起源を明らかにするため、ミリ波サブミリ波干渉計ALMAより中心近傍の電離ガスと分子ガスの構造と運動を観測した。 銀河系中心自体と最近傍の星生成分子雲である50km/s分子雲を80-90GHz帯の多数の分子輝線で観測した。単一鏡成分を加えることにより今までにない高い信頼性の撮像に成功した。このデータを用いて以下の解析を行った。 50km/s分子雲にはSiO/H13CO+輝線比が大きいことから衝撃波領域の存在が予想され、その原因は分子雲分子雲衝突があるとされていたが、この観測によりその構造と輝線比から分子雲分子雲衝突が確認された。さらに分子雲をクランプファインド法でクランプに分解してその質量関数を求めた。ここの質量関数が円盤部では見ることができない激しいトップヘビーであることを確認した(Uehara+ APJ 872,121 2019)。 銀河系中心を囲む分子ガスのリング構造:核周デイスクの撮像から、リング構造の外側から中心へと潮汐破壊されながら落下する分子雲を発見した。この分子雲が途中で電離ガスの構造であるミニスパイラルに連結していることも確かめた。ミニスパイラルにはOB型星が付随しているので、この分子雲は星生成をしながら落下してきたと考えられる(Tsuboi+ PASJ 70 id 85 2018)。
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