南海トラフの沈み込み帯で発生する超低周波地震が、大地震の表面波によって誘発される現象を調査した。これまでに他の種類のスロー地震の誘発現象は、単純な信号処理によって発見されている。本研究では、誘発されたかも知れない超低周波地震のシグナルを検出し、その震源パラメータを推定するためのベイズ手法を考案した。この手法を四国西部で記録された2016年紀伊半島沖の地震(M5.9)の地震波形記録に用いた。6個の超低周波地震(M3.4-4.3)が深部低周波地震の発生域近傍に発生していたと推定され、深部低周波地震に比べて応力擾乱に敏感であると考えられる。本研究は超低周波地震の動的誘発に掛かる初めての発見である。
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