従来法とは大きく異なり、蛍光色素を内封したリポソームとその分子膜を透過する分子を用いて、酵素反応の活性を簡便かつ蛍光発光により評価できるシステムの構築を行った。本申請の課題では、より低い濃度で活性を有する新しい膜透過性分子を設計・合成することで、より少ない酵素量で活性評価が行えるシステムの開発を目指した。オリゴペプチドに疎水性の置換基を導入する、あるいは従来の膜透過性ポリマーの化学修飾によって膜透過活性の向上を実現できた。さらに生理的に重要な酵素であるキナーゼを対象とした酵素活性評価を実現でき、僅か0.56マイクロリットルのサンプリング量で活性評価が可能な系を開発することができた。
|