イオン液体は、その発がん性に対する危惧を除けば極めて有用な溶媒であると考えられている。常温で液体の塩であるため真空との界面を有することのほかに、無電荷の物質と殿下を有する物質を共に溶解する性質があるため、リサイクルが容易な環境に優しい合成溶媒として、あるいはイオンの移動を目的とした電池材料として注目されている。しかし、その物理的/化学的挙動はほとんどわかっていない。本研究では、イオン液体中において世界で初めて「遷移金属錯体間の均一系電子移動反応」を観測することに成功し、溶存イオンの周りのイオン液体が解離しており、その結果溶存イオンの周りで局所的な高誘電率場を形成していることを明らかにした。
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