有機溶媒中での遷移金属触媒を用いた有機変換反応において、有機ジアゾニウム塩やスルホキソニウム塩は、反応性が高く安価であり、かつ、ハロゲンや金属が含まれない環境にやさしい求核剤・求電子剤でありながら可溶性や安定性の問題があるため一般的に活用できていなかった。今回、完全水中系での有機変換反応の条件を改良することで、はじめて、これらを反応基質として用い、有機反応を試みることができた。また、改良したCO2固定化触媒を用いた大気中のCO2からのメタノール合成ができれば、エネルギー資源の枯渇や温暖化の問題を一挙に解決できると期待され、それらの研究が実施できたことは意義深いと思われる。
|