石英ガラスの放電加工現象と放電波形の同期観察を行い,さらに,XYZの3軸方向からの極間の観察により遷移領域の導電性皮膜形成を調べた.最後に絶縁体の微細穿孔放電加工機に要求される仕様をまとめた.まず,絶縁体放電加工特有の長パルス放電の役割と絶縁体放電加工メカニズムを明らかにした.絶縁体放電加工形状の悪化は,長パルス放電時に生成される炭素量が多く,集中放電が生じるためである.そこで,熱分解炭素が減少する条件で放電加工を試みた.その結果,放電加工の形状精度が向上した.次に,遷移領域の導電性皮膜形成の調査から,絶縁体放電加工の安定した持続には工具電極面積と放電電流の適切な設定が必要なことが分かった.
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