研究課題
基盤研究(C)
本研究では、投射粒子と純水を混合したスラリーを圧縮空気で高速に硬質薄膜材料に投射して，繰り返し衝撃負荷と微小摩耗を複合的に与え、金型用の先端硬質薄膜材料を評価する手法の研究を行った．対象とする硬質薄膜の硬さやヤング率，厚さ，構造や，評価する内容（表面の弱い部分，界面等の弱い部分）に合わせ，①投射材質を選定すること，②投射圧力を選定すること、③粒子径を選定することを明らかにし，硬質薄膜の耐摩耗・耐衝撃性を複合的に加速評価する試験方法を完成させた。
トライボロジー（摩擦・摩耗・潤滑）
硬質薄膜は，多層化や厚膜化などが進んでおり，複雑な構造を有するものが多くなっている．このような硬質薄膜は、従来の評価方法であるスクラッチ試験やナノインデンテーション試験などでは，実際の寿命との相関性がとれない場合が増えている．本研究で学術的に明らかにした，投射粒子材質の影響，投射粒子径の影響，投射圧力の影響の成果より，多くのしゅう動部材や金型等で用いられる硬質薄膜の耐摩耗・耐衝撃性を複合的に加速評価する手法として役立つと考えられる．また，様々な材料の新しい評価手法へと発展できると考えられる．
